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アデュカヌマブ~世界に1つだけのアルツハイマー病治療薬~

こんにちは😃
薬剤師の岩出です。

まずは、6月23日のオンラインセミナーのご紹介です❗️
日本薬剤師研修センター承認のオンラインセミナー(1単位)です😃
参加希望の方は下👇のイラストをクリックしてください🙇🏻

日程:6月23日(水)
時間:19時スタート
場所:オンラインZoom
定員:60名
参加費:1,000円

まだまだ空きがありま~す😭
ご参加お待ちしております🙇🏻

 

本日は、株価が爆上げとなったエーザイとバイオジェンのアデュカヌマブについてご紹介します!
今日もストップ高でしょうね~😅
すでに、色々とご存じだと思いますが、書かせてください(笑)

世界初の薬剤

アデュカヌマブのポイントは、この2つ
①早期アルツハイマー病の臨床症状悪化を抑制する世界初の治療薬
②アミロイドベータの除去が臨床上のベネフィットをもたらすことを実証した世界初の薬剤

今まで、アルツハイマー型認知症治療薬はありました。
例えば、エーザイの「アリセプト」

添付文書の効能又は効果(上👆)には、「アルツハイマー型認知症及びレビー小体型認知症における認知症症状の進行抑制」と書かれています。
そして「本剤がアルツハイマー型認知症及びレビー小体型認知症の病態そのものの進行を抑制するという成績は得られていない。」と書かれています。
アデュカヌマブは、病気の症状(認知症)の治療ではなく、アルツハイマー病の病理に作用する世界で最初の治療薬となります。

また、アルツハイマー病の原因物質として「アミロイド(β:ベータ)」と「タウたんぱく質」が注目され、これらをターゲットに多くの薬が臨床試験に失敗してきましたが
今回のアデュカヌマブの結果から、アミロイドベータの除去がアルツハイマー病の治療に有効ではないのか、ということです。

今後、他のメーカーが「アミロイドベータの除去」にターゲットを絞って、薬を出してくるかもしれません。

 

臨床試験の結果

臨床試験の結果をみたいと思います。
詳しくは、お偉い先生やご専門の方が書かれていると思いますので、簡単にご紹介したいと思います。

第3相臨床試験として、2つの試験が発表されています。1つがEMERGE試験、もう1つがENGAGE試験です。
2つの臨床試験が評価されていますが、ENGAGE試験は「主要評価項目を達成しませんでした」とあるので、EMERGE試験の結果をもって、アデュカヌマブの有効性の評価がされています。

【研修デザイン】
・18カ月の試験期間
・二重盲検、無作為化、プラセボ対照

【サンプルサイズ】
20カ国の348施設で3,285人(EMERGE試験:1,638人、ENGAGE試験:1,647人)の患者

【患者】
早期アルツハイマー病(アルツハイマー病による軽度認知障害+軽度アルツハイマー型認知症)の患者

【投与】
2つの投与量(高用量と低用量)とプラセボ
ランダムに高用量:低用量:プラセボ=1:1:1で割り当て

【主要評価項目】
18ヶ月時点におけるCDR-SB(用語説明を参照)で評価

上の図が主要評価項目の結果を表している図になります。
高用量のアデュカヌマブで治療された患者は、78週間の時点でCDR-SBスコアがベースラインから有意な減少を示した、と発表されています。 (プラセボに対して -22%、P = 0.01)

アルツハイマー病の特徴である脳内のアミロイド ベータ プラークの減少については、PETを使用して定量化され、用量依存的かつ投与期間依存的な効果(EMERGE試験:71%減少、ENGAGE試験:59%減少)を示したとなっています。

 

アデュカヌマブの歴史

実はこのアデュカヌマブですが、一度、臨床試験が中止しています(ニュースにもなりましたよね)
先ほど紹介した2つの試験ですが、事前に決められた段階で無益性解析というものが行われ「主要評価項目が達成される可能性は低い」と判断され中止になっています。

しかし、試験中止後、追加で試験期間を修了した被験者のデータを追加して解析した結果、先ほど紹介した効果がみられたということです。

被験者の追加で何が変わったのか?
当然、N数が増えたこともそうですが、データの追加によって高用量投与群の患者数が増えました。
高用量投与のデータが増加が、今回の有効性の結果が出た主な要因と言われています。

大学院の時に、はじめに決めた研究計画で調査・解析しないといけないと教わったのですが…😅
色々な手続きで変更ができるんでしょうね~

ちょっと気になるコメントも書かれています。
「バイオジェンがFDA(米国食品医薬品局)との協議に基づいて、新薬承認をめざすことを発表しました…」
協議して目指すってどういうこと?笑

また、今回は高用量で効果がみられましたが、低用量では有効性が示せなかったことに対して、問題視している専門家もいるようです。

 

ドラッグインフォメーション

・アデュカヌマブは、アルツハイマー病患者の治療に使用される処方薬
・アデュカヌマブは静脈点滴
・アデュカヌマブは4週間ごとに投与され、 注入時間は約1時間
・アデュカヌマブ注入中に、顔、唇、口、または舌の腫れとじんましんが発生しました。
・一般的な副作用には、脳内または脳の表面に小さな出血の斑点がある場合とない場合の脳の浮腫、頭痛、転倒
・平均体重74kgに対して1回投与あたり4,312ドル(約47万円)
・維持投与量での年間コストは56,000ドル(約610万円)

なかなかお高いですね😆
バイオジェンとエーザイは、今後4年間はアデュカヌマブの価格を変更しないと言っていますが

世界でアルツハイマー型認知症の推定患者数は3,000万人と言われています。
すべての方が対象ではないでしょうが、それでもすごい売り上げが予想されますね😅

日本国内も年内に承認の可否を判断するといわれています。
日本での薬価はいくらになるのでしょうか??

最後まで読んでいただき
ありがとうございました🙇🏻

 

 

<用語説明>
CDR-SB (Clinical Dementia Rating Sum of Boxes)
認知症の重症度を評価するスケールであるCDR(臨床認知症の評価)では、記憶、見当識、判断力と問題解決、社会適応、家族状況及び趣味、介護状況の6項目について、患者の診察や周囲の人からの情報で評価します。6項目のスコアの合計点がCDR-SBのスコアとなり、早期ステージのアルツハイマー病を対象とした治療薬の適切な有効性評価項目です。

 

CDR(臨床認知症の評価)
記憶、見当識、判断力・問題解決能力、地域社会活動、家庭生活と趣味、身の回りの管理の6項目からなり、なし(0)、疑い(0.5)、軽度(1)、中等度(1)、高度(2)で各項目を点数化する。

 

PET(positron emission tomography)
PETとは、positron emission tomography (陽電子放出断層撮影) の略で、放射能を含む薬剤を用いる、核医学検査の一種です。放射性薬剤を体内に投与し、その分析を特殊なカメラでとらえて画像化します。

 

 

<参考資料>
EMERGE and ENGAGE Topline Results: Two Phase 3 Studies to Evaluate Aducanumab in Patients With Early Alzheimer’s Disease

アルツハイマー病患者様のADUHELM™へのアクセス支援を開始

Emerge and Engage topline results: Phase 3 studies of aducanumab in early Alzheimer’s disease

MEDICATION GUIDE ADUHELM™

 

 

 

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