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小児へのブルーライトカット眼鏡は推奨しない

こんにちは😃
薬剤師の岩出です。

皆さん、ブルーライトって知っていますか?
スマートフォンなどのデジタル端末の普及に伴い注目されたブルーライト

令和3年4月14日に「小児のブルーライトカット眼鏡装用に対する慎重意見」というものが、日本眼科学会、日本眼科医会、日本近視学会、日本弱視斜視学会、日本小児眼科学会、日本視能訓練士協会の連盟で出されました。

こちらの内容についてご紹介します

ブルーライトとは

ブルーライトとは、波長が380~500nmの青色光のこと。
ブルーライト自体は太陽光や蛍光灯にも含まれる可視光線(約400~800nmの波長の光)の一部で、ブルーライトはその可視光線の中で最も波長が短く、強いエネルギーを持っています。
ちなみに、380nm以下の波長の光を紫外線といい、これは言うまでもなくより強いエネルギーを持っています。

ブルーライトは、角膜や水晶体で吸収されずに網膜まで到達します。パソコンやスマートフォンなどのLEDディスプレイやLED照明には、このブルーライトが多く含まれています。

ブルーライトは太陽光にも含まれており、日々私たちは吸収しています。しかし、デジタル端末では波長分布が太陽光と違って不均一でブルーライト成分が多いと言われています。

そこで、スマートフォンやタブレットなどのデジタル機器の普及に伴い、ブルーライトカット眼鏡も登場し、眼鏡屋さんで売られているのをよく見ます(私も持っています😅)

今回、そのブルーライトカット眼鏡小児に装用させることを推奨する動きが一部であったようで、この動きに対して、先ほど紹介した「小児のブルーライトカット眼鏡装用に対する慎重意見」が発表されたようです。

今はページが消えていますが、上👆のようなサイトもあったようです。

 

眼精疲労の軽減のエビデンスは乏しい

ブルーライトカット眼鏡

ブルーライトカット眼鏡ウリ(この報告が出て以降、各社のウリは変更されています)は、睡眠障害や眼精疲労の軽減、また眼球への障害予防でした。

睡眠障害については、サーカディアンリズム(体内時計)に影響を与える論文が出ており、夜遅くまでデジタル端末の強い光(ブルーライト)を浴びると、睡眠障害をきたす恐れは指摘されています。

しかし、眼精疲労の軽減や眼球の障害予防に関するエビデンスは乏しく、また以下の理由より、小児にブルーライトカット眼鏡の装用を推奨する根拠はないと報告されています。
(AAO:米国眼科アカデミー公開内容)

デジタル端末の液晶画面から発せられるブルーライトは、曇天や窓越しの自然光よりも少なく、網膜に障害を生じることはないレベルであり、いたずらにブルーライトを恐れる必要はないと報告されています。
(AAO)デジタル機器の画面から発する紫外線(光のうち最も目に有害な成分)の量は、検出限界以下であると報告されています。

小児にとって太陽光は、心身の発育に好影響を与えるものです。なかでも十分な太陽光を浴びない場合、小児の近視進行のリスクが高まりますブルーライトカット眼鏡の装用は、ブルーライトの曝露自体よりも有害である可能性が否定できません。
(AAO)米国眼科アカデミーは子供たちにブルーライトカット眼鏡を推奨しません。目が疲れた場合には、休憩することです。

最新の米国一流科学誌に掲載されたランダム化比較試験では、ブルーライトカット眼鏡には眼精疲労を軽減する効果が全くないと報告されています。
(AAO)デジタル機器の画面を長時間見つめると、まばたきが減ります。まばたきの減少はときに眼精疲労を生じます。画面からのライトのためではなく、デジタル機器の使い方によるものと報告されています。

体内時計を考慮した場合、就寝前ならともかく、日中にブルーライトカット眼鏡をあえて装用する有用性は根拠に欠けます。産業衛生分野では、日中の仕事は窓ぎわの明るい環境下で行うことが奨められています。
(AAO)ブルーライトが生体の体内リズム(覚醒と睡眠のサイクル)に影響するという報告はあります。睡眠障害の予防のために就寝時間の2~3 時間前からデジタル機器の使用を控えるのが良いでしょう。

このうち、③の文献のアブスト(概要)を見ると、2時間のコンピュータータスクをした後で眼精疲労の度合いを評価しているのですが、2時間って短くないですかね~😅
まぁ~素晴らしい先生が研究された結果なので、私に何か物申すのもおかしいのですが…

 

これらのことから、小児にブルーライトカット眼鏡の装用を推奨する根拠はなく、むしろブルーライトカット眼鏡装用は発育に悪影響を与えかねないとのことです。
偏りのない情報と充分な科学的根拠に基づいて、小児の目の健康を守って頂くことを願います。と締めくくられています。

昨日まで正しいと思われていたことが、今日には正しくないと言われることはよくあることですが
情報が溢れる中で、正しい情報を伝える能力が必要ですね❗️

 

 

<参考資料>
ブルーライト研究会

小児のブルーライトカット眼鏡装用に対する慎重意見

日本弱視斜視学会ホームページ

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