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モルヌピラビル リスクを約50%低下

こんにちは😃
薬剤師の岩出です。

新型コロナウイルスのワクチンが普及し、緊急事態宣言も解除されました。
少しずつ色々な活動が再開されてますね~
来年は集合しての研修会もできるのでしょうか😅

その兆しになる新型コロナウイルスの治療薬について、色々な媒体で報道されている「モルヌピラビル」について書きたいと思います。
#言いにくい
経口の抗ウイルス薬で、新型コロナウイルスに有効性が示されたことで皆さんもご存じだと思います!

 

モルヌピラビルは入院または死亡のリスクを約50%低下

モルヌピラビルは、軽度~中等度のCOVID-19を有する入院していないリスクのある成人患者を対象とした試験(第3相MOVE-OUTの中間解析)において、入院または死亡のリスクを有意に低下させたと報告しています。

具体的には
プラセボ投与患者の14.1%が入院または死亡したのに対して(29日目まで)、モヌピラビル投与患者では7.3%でした(p=0.0012)。
モルヌピラビルは入院または死亡のリスクを約50%低下させてことになります。

「入院または死亡」とありますが、死亡例を見ると(29日目まで)、プラセボ群が8例に対して、モルヌピラビルは認められませんでした。

これらの良好な中間結果により、米国FDAへの医薬品緊急使用許可を申請し、日本の厚生労働省にも製造販売の承認を申請するようです。

 

第3相MOVE-OUTの中間解析

試験の対象者:軽度から中等度のCOVID-19が検査で確定され、ランダム化後5日以内に症状が発現している

介入:モルヌピラビルを12時間ごと5日間経口投与

比較:プラセボ

目的:入院または死亡した参加者の割合、有害事象の参加者の割合、有害事のために研究介入を中止した参加者の割合

 

試験内容を示すと、👆のようになります。
軽度から中等度のコロナウイルス感染患者にモルヌピラビルを経口投与して、入院や死亡の割合がどうなったのか?有害事象の発現がどうなったのかを見ています。

入院や死亡の割合については、先ほどご紹介したように、プラセボに比べてモルヌピラビル投与群では約50%低下していました。
有害事象はどうなったのか?

有害事象の発現割合は、モルヌピラビル群(35%)とプラセボ群(40%)で同程度でした。
また、有害事象による治験薬の中止例は、モルヌピラビル群(1.3%)はプラセボ群(3.4%)に比べて少なかったようです。

ウイルス配列データが入手可能な参加者について調べると、モルヌピラビルはガンマ、デルタおよびミューに対しても有効性を示したと書かれています。

 

モルヌピラビルは、ウイルス増殖を阻害する

モルヌピラビルは、ウイルスゲノムにエラーを導入することにより、致死的な突然変異誘発によるウイルス増殖を阻害する抗ウイルス薬ということです。

ウイルス感染では、「侵入」→「増殖」→「放出」という過程をとります。
細胞に侵入し、細胞の中で増殖し、そして細胞から体内に放出されて新たな細胞で「侵入」→「増殖」→「放出」を繰り返します。

インフルエンザウイルスの薬である「タミフル」は、「放出」の過程で、細胞からのインフルエンザウイルスの遊離を抑えることで、ウイルスの体内での拡散を抑える薬です。

そして今回のモルヌピラビルは、「増殖」の過程を阻害する薬になるようです。

簡単に説明すると、コロナウイルスは増殖する際にRNAを複製するのですが、モルヌピラビル(👇)がRNAを構築する構成アミノ酸に構造が類似しているので、コロナウイルスが増殖する際にモルヌピラビルを取り込ませてウイルス変異を起こさせることで増殖を阻害するということです。
#分かりにくかったらごめんなさい
#詳細は、参考資料を見て下さい!

料理の際に、「塩を取って」と言われたのに、砂糖を渡して味をめちゃくちゃにしてしまう感じですかね(違うかな😅)

ちなみに、レムデシビルも同じ働き方をする薬ですが…どうなったんですかね?

日本でも年内に特例承認を申請するという話もありますが、気になるのはいくらかかるのか?
1人あたり約700ドル(約77,700円)なんて言われています。
#医療費が増える

そして、後藤厚生労働大臣が医師、看護師、介護士の所得向上やそれに関係する診療報酬改定に言及されています。
医療費が増えて、でも医師、看護師、介護士の報酬は改善するとなると、どこにそのシワ寄せが来るのか……😅

 

最後まで読んでいただき
ありがとうございました🙇🏻

 

 

<参考資料>
Merck and Ridgeback’s Investigational Oral Antiviral Molnupiravir Reduced the Risk of Hospitalization or Death by Approximately 50 Percent Compared to Placebo for Patients with Mild or Moderate COVID-19 in Positive Interim Analysis of Phase 3 Study

Efficacy and Safety of Molnupiravir (MK-4482) in Non-Hospitalized Adult Participants With COVID-19 (MK-4482-002)

Efficacy and Safety of Molnupiravir (MK-4482) in Non-Hospitalized Adult Participants With COVID-19 (MK-4482-002), World Health Organization

Molnupiravir, an Oral Antiviral Treatment for COVID-19

Nature Structural & Molecular Biology

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