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要指導医薬品のネット販売規制は合憲 楽天の敗訴確定 その2

こんにちは😃
薬剤師の岩出です!

まずは、研修会のご案内です!

4月14日(水)19時より
オンライン服薬指導システムを提供されている (株)メドピア様に「オンライン服薬指導の現状と今後」をテーマにお話し頂きます。
本セミナーはzoomを活用してのオンラインセミナーとなります。
日本薬剤師研修センター【1単位】の研修です❗️
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4月17日(土)17時より、大阪の会場で研修会を開催します❗️
これからの薬剤師について、皆さんとお話しできればと思っています😆
講師として、医療業界のM&A・転職・開業に関わるキャリア支援を行われている (株)MCプロダクツの杉浦 様をお呼びしています。

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今回は、前回の続きです。
楽天側の訴えの内容と最高裁の判決内容についてご紹介します。

憲法22条1項「職業選択の自由」

楽天が訴えている内容がこちら
1.厚生労働大臣が行った要指導医薬品の指定処分を取り消す。
2.店舗以外の場所にいる者に対する郵便その他の方法によって販売をすることができる権利(地位)を有することの確認

「1」は、要指導医薬品はネット販売ができないので、その要指導医薬品の区分を取り消してほしいということで、これは訴える側として理解ができます。
訴えの「2」がすごいな~と思いました。
これは、要指導医薬品のネット販売を禁止している旧薬事法(薬機法)が、憲法22条1項「職業選択の自由」を侵害しているということです。

医薬品は、望む効果が得られますが、副作用もあります。
特に、要指導医薬品はその副作用も起きやすいということで分類されているのですが

憲法では、「職業選択の自由」があって、また広義においては職業活動の自由(営業の自由)も保障しているのに、医薬品のネット販売業者が「要指導医薬品」をネットで売れないのは「職業選択の自由」を侵害している、ということですよね(間違ってたらごめんなさい)
すごい切り口だな~と思いました。
薬剤師として頭が凝り固まっているので、当たり前のように受け止めていましたが、柔軟に考えればそのような捉え方もできるんですね

しかし、憲法22条1項では、「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。」と記載されており、何でもかんでも自由ではなく、「公共の福祉に反しない限り」となっています。

 

ポイントは、公共の福祉に反しない限りです。

裁判所の判決①

法(薬機法)は、保健衛生の向上を図ることを目的としている。
医薬品は有害な副作用が生ずる危険性があり、そのうち要指導医薬品は、製造販売後調査の期間を経過しておらず、安全性の評価が確定していない医薬品である。
需要者の選択(要指導医薬品を購入する人の選択)により使用される医薬品を、薬剤師が対面により販売、授与することは、不適正な使用による国民の生命、健康に対する侵害を防止する。

これらのことから、この法の目的が公共の福祉に合致することは明らかである。と記載されています。

薬機法の目的は、保健衛生上の危害の発生及び拡大の防止であり、副作用の危険性があるよう要指導医薬品に対して薬剤師の対面での販売を義務付けることは、国民全体の生命と健康を守ることであり、公共の福祉(社会全体の共通の利益)に合ってますよねってことです😅

 

 

裁判所の判決②

要指導医薬品は、医師や歯科医師によって選択されたものではなく、需要者の選択(要指導医薬品を購入する人の選択)によって使用されるものです。
よって、(安全性が確立していない)要指導医薬品の販売について、薬剤師が使用者の情報収集を行った上で、適切な指導を行うことは相応の合理性があるとのことです。
ここまでは、理解はできます。

ちょっと「ん?」と思ったのはこの後です。

そして、対面による販売については、直接のやり取りや会話の中で、その反応、雰囲気、状況等を踏まえた柔軟な対応をすることにより、説明し又は強調すべき点について、理解を確実に確認することが可能となる。
一方で、電話メールなどの対面以外の方法による情報提供及び指導においては、音声文面によるやり取りにならざるを得ないなど、理解を確実に確認する点において直接の対面に劣るという評価を前提とするものと解されるところ、当該評価が不合理であるということはできない。

対面販売と対立する行為として「電話」と「メール」が上げられています。

「テレビ電話」はどうなの?って思いません?😅

オンライン診療、オンライン服薬指導が解禁になりました。
医療用医薬品でオンラインによる指導がOKなのに、要指導医薬品ではダメなの?ってなりますよね~

おそらく、いや、確実にこの点について今後攻めてきますよね?

 

裁判所の判決③

最後は、「職業選択の自由」についての見解です。

一般用医薬品等のうち、薬剤師のよる対面販売が義務づけられているのは、要指導医薬品だけです。

 

その要指導医薬品の市場規模は、一般用医薬品のうち1%に満たない僅かな程度です。
また、販売後に評価を行い、問題がなければ一般用医薬品に移行することとなっています。

つまり、一般用医薬品のうち99%以上は薬剤師による対面販売の義務がない医薬品であり、その1%未満の医薬品を取り上げて「職業選択の自由」、「営業活動の自由」に制限を加えているとはいえない、ということです。

 

 

今まで、こんな判例を読むことなんて無かったのですが、読むと勉強になりますね😅
自分の仕事が関係する領域なので、知っていて損はないと思います。

参考資料にリンクを載せているので、興味がある方はご一読ください🙇🏻

 

<参考資料>
令和元年(行ツ)第179号 要指導医薬品指定差止請求事件 令和3年3月18日  最高裁判所第一小法廷

平成26(行ウ)第29号 要指導医薬品指定差止請求事件  平成29年7月18日 東京地方裁判所

富士経済、一般用医薬品(OTC)の国内市場調査結果を発表OTC市場の平成を振り返り、令和を展望する

公共の福祉とは?

 

日本国憲法
第三章 国民の権利及び義務
第二十二条 1項
何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。

 

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
第一条 (目的)
この法律は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品(以下「医薬品等」という。)の品質、有効性及び安全性の確保並びにこれらの使用による保健衛生上の危害の発生及び拡大の防止のために必要な規制を行うとともに、指定薬物の規制に関する措置を講ずるほか、医療上特にその必要性が高い医薬品、医療機器及び再生医療等製品の研究開発の促進のために必要な措置を講ずることにより、保健衛生の向上を図ることを目的とする。

 

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