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要指導医薬品のネット販売規制は合憲 楽天の敗訴確定 その1

こんにちは😃
薬剤師の岩出です!

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要指導医薬品指定差止請求事件

今回は、3月18日に最高裁であったネット通販大手の楽天が国に規制撤廃を求めた訴訟の上告審判決についてご紹介したいと思います。

<注意>
私は法律家ではありませんので、用語の選択ミスや法律の解釈違いについては、多めに見てください🙇🏻
あくまでも判例のご紹介ということでご理解を頂けると嬉しいです。

この裁判は、医療用から市販用に切り替わって間もない一部の薬(要指導医薬品)のインターネット販売を禁じた医薬品医療機器法(旧薬事法)の規定は、職業の自由を侵害し違憲であるとして楽天が国に対して訴訟を起こしていた裁判です。
皆さん、知ってましたか?

2013年12月13日「薬事法及び薬剤師法の一部を改正する法律」が公布されました。
改正法のうち、医薬品の販売業等に関する規制の見直しについては、2014年6月12日から施行されることとなりました。
そして「医薬品の販売業等に関する規制の見直し」の中で、要指導医薬品については対面での販売が義務付けられました。
つまり、ネット販売は禁止ということです。

この旧薬事法に対して、「ネット販売の基本的なビジネスモデルを禁じており、職業選択の自由を奪う」として、旧薬事法の違憲性を主張していました。

しかし、2017年7月18日の東京地裁において、旧薬事法に対して合憲との判断し、原告側(楽天)の訴えを退けました。
その後、2019年2月6日の東京高裁で起こした控訴審において、東京高裁は東京地裁の判決を支持し控訴を棄却しました。

皆さん、知ってましたか?

「憲法が定める営業の自由」で主張してくるなんて、すごいな~と思いました。
「法律」になった瞬間に、

小学校でも習ったように、法令の効力(強さ)は
憲法>法律>政令>省令
となっていますから、「要指導医薬品の対面販売」が憲法違反であれば旧薬事法(法律)で定めた対面販売の義務も違反ということになります。

 

 

要指導医薬品とは

ます、今回の焦点になっている「要指導医薬品」が、どのような法律の元で成り立っている医薬品なのかを知る必要があります。
裁判の判例資料を基に、要指導医薬品について再確認したいと思います。

一般用医薬品(要指導医薬品及び一般用医薬品)は、いずれも、その効能及び効果において人体に対する作用が著しくないものであって、薬剤師その他の医療関係者から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されることが目的とされているもの」と定義されています。

そして、一般用医薬品のうち要指導医薬品は、薬機法4条5項3号イからニまでに掲げる医薬品で、その適正な使用のために薬剤師の対面による情報の提供及び薬学的知見に基づく指導が行われていることが必要なものと明記されています。

要指導医薬品として、薬剤師による対面の情報提供が必要と定められています。

店舗販売業者等は、要指導医薬品につき、薬剤師に販売させ、又は授与させなければならないとされています(薬機法36条の5第1項)。
店舗販売業者等への義務として、要指導医薬品の販売について、薬剤師に対面により、書面を用いての情報提供をさせ、また
薬学的知見に基づく指導を行わせなければならないと定められています。

要指医薬品の販売に関して、要指導医薬品その物と販売形態の2つの側面から、法律によって薬剤師の販売が義務付けられています。

ちなみに、一般用医薬品については、薬剤師が対面により販売しなければならないとはされていません

 

ポイントは、需要者の選択(要指導医薬品を購入する人の選択)により使用されること、また、人体に対する作用が著しくないとはいっても、安全性の評価が確定していないことの2点になります。

製造販売調査

要指導医薬品とは、一般用医薬品とは異なる「医療用に準じたカテゴリーの医薬品」で、いわゆるスイッチ直後品目(スイッチOTC、ダイレクトOTC、劇薬)が該当します。
スイッチOTCは、承認条件として製造販売調査を実施することが義務づけられており、その期間は原則として3年間です。

ダイレクトOTCは、再審査期間として原則8年です。

スイッチOTCは原則3年間、ダイレクトOTCでは原則4~8年間で一般用医薬品として販売することの可否の評価を行い、問題がないことが確認されたら、要指導医薬品から一般用医薬品へ移行することとなっています。

 

ポイントは、要指導医薬品(ネット販売できない薬)として区分される期間は限定的ですよ(期限がありますよ)ということです。

要指導医薬品の市場規模

一般用医薬品の市場規模ってどのくらいあるか知ってますか?

判例資料を見ると
一般用医薬品の品目数は、平成28年5月30日時点で1万374品目です。
これに対して、要指導医薬品に該当する品目数は、平成26年6月12日時点で20品目。

一般用医薬品等全体の市場規模は、平成26年度において約8,944億円、平成27年度は9,385億円のようです。
そのうち要指導医薬品の市場規模は、平成26年度は約51億円、平成27年度は26億円でした。

ポイントは、要指導医薬品の市場規模は非常に小さいですよ!ってことです

 

これらが前提知識となります。
これを踏まえて、楽天側が訴えている憲法違反の内容とは?
次回は、楽天側の訴えの内容と最高裁の判決内容についてご紹介します。

 

 

<参考資料>
令和元年(行ツ)第179号 要指導医薬品指定差止請求事件 令和3年3月18日  最高裁判所第一小法廷

平成26(行ウ)第29号 要指導医薬品指定差止請求事件  平成29年7月18日 東京地方裁判所

富士経済、一般用医薬品(OTC)の国内市場調査結果を発表OTC市場の平成を振り返り、令和を展望する

 

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
第4条(開設の許可)5項3号
要指導医薬品 次のイからニまでに掲げる医薬品(専ら動物のために使用されることが目的とされているものを除く。)のうち、その効能及び効果において人体に対する作用が著しくないものであつて、薬剤師その他の医薬関係者から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されることが目的とされているものであり、かつ、その適正な使用のために薬剤師の対面による情報の提供及び薬学的知見に基づく指導が行われることが必要なものとして、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するものをいう。
イ その製造販売の承認の申請に際して第十四条第九項に該当するとされた医薬品であつて、当該申請に係る承認を受けてから厚生労働省令で定める期間を経過しないもの
ロ その製造販売の承認の申請に際してイに掲げる医薬品と有効成分、分量、用法、用量、効能、効果等が同一性を有すると認められた医薬品であつて、当該申請に係る承認を受けてから厚生労働省令で定める期間を経過しないもの
ハ 第四十四条第一項に規定する毒薬
ニ 第四十四条第二項に規定する劇薬

 

第36条の5(要指導医薬品の販売に従事する者等)第1項
第三十六条の五 薬局開設者又は店舗販売業者は、厚生労働省令で定めるところにより、要指導医薬品につき、薬剤師に販売させ、又は授与させなければならない。
2 薬局開設者又は店舗販売業者は、要指導医薬品を使用しようとする者以外の者に対して、正当な理由なく、要指導医薬品を販売し、又は授与してはならない。ただし、薬剤師等に販売し、又は授与するときは、この限りでない。

 

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