文献紹介 保険薬局関係

零売 ~処方箋医薬品以外の医療用医薬品を薬局で販売すること~

こんにちは😃

昔々なら、休みなしで働いても全然平気だったのに、歳なのか、最近は疲れがとれない薬剤師の岩出です❗️

コロナウイルスのワクチン接種ので起きる副反応に推奨された関係で、ドラッグストアでは、タイレノールが売り切れているようです。
そこで、多くの保険薬局ではカロナールの零売(れいばい)が行われているようですが…
保険薬局での零売について、正しくしく理解できてますか?

私も十分ではないですが😅(←薬剤師なのにアカンやろw)、参考資料に零売に関係する資料のURLも載せていますので、そちらを参考にしながら、ブログを読んでいただければと思います🙇🏻

※今回の内容は「零売」を推奨するために記載したのではありません。正しい知識を持ち、正しく対応するための一助になればと思い書きました。
本文中でも書いていますが、厚生労働省の通知にもあるように「薬局においては、処方箋に基づく薬剤の交付が原則である」という考え方を理解した上での対応をお願い致します。

 

①医薬品の分類

ご存じのように「医薬品」といっても、薬機法により、有効性や安全性、販売方法などから下👇に示すように分類されています。

保険薬局で処方箋を受けてお薬を調剤し、患者さんにお渡ししている医薬品は「医療用医薬品」です。
そして、その医療用医薬品は「処方箋医薬品」と「処方箋以外の医療用医薬品」に分けられています。

今回のテーマである零売の対象になっている医薬品は、「処方箋以外の医療用医薬品」に分類される医薬品です。

医療用医薬品は約15,000種類あるといわれていますが、そのうち「処方箋以外の医療用医薬品」は約半数の7,500種類程度あるそうです。

どの医薬品が「処方箋医薬品」で、その医薬品が「処方箋以外の医療用医薬品」かというと、添付文書を見ると分かります。

 

記載形式は統一されていませんが、「処方箋医薬品」と書かれています。
カロナールは

添付文書に「処方箋医薬品」の記載がありません
記載がないけど、本当に「処方箋医薬品」ではないの?って私は思いましたが
PMDAのサイトでは、「処方箋医薬品以外の医薬品」って書かれていました。

ということで、カロナールは零売で販売できる医薬品になります。

次に、薬局で零売を行う上でのルールと運用方法について確認したいと思います。

 

②零売の考え方

原則は、処方箋医薬品以外の医薬品についても、処方箋に基づき薬剤を交付することとなっています。

ただし、一般用医薬品の販売による対応を考慮したにもかかわらず、やむを得ず販売を行わざるを得ない場合などにおいては、必要な受診勧奨を行った上で、次に掲げる事項(③零売の遵守事項)を遵守すること、となっています。

例えば、今回のカロナールのように、コロナウイルスのワクチン接種の副反応(発熱、頭痛など)をおさえるためのタイレノール(市販薬)が手に入らない状況においては、販売に当たっての遵守事項を基づき、処方箋なしで販売しても良いという解釈だと思います。

 

③零売の遵守事項

実際に薬局で零売を行う上で、守らなければいけない薬機法や施行規則について、確認したいと思います。
赤字は通知に記載されている内容です。

 

①販売数量の限定
販売を行わざるを得ない必要最小限の数量に限定

通知には、販売する数量については、「必要最小限」と書かれており、具体的な数字は書かれていません。
つまり、薬剤師が販売数量を決めなければなりません。
添付文書や最新の文献、エビデンスから得られた知見に基づき、薬剤師が決めてください。

 

②販売記録の作成
<義務>
1.品名
2.販売数量
3.販売日
4.患者氏名
5.薬剤師名
6.情報提供の内容を理解したことの確認結果
7.連絡先
太文字は義務、それ以外は努力義務

記録義務の内容(上記1~6)については、書面により2年間保存しなければなりません。
7は努力義務の項目ですが、一緒に記録しておくのが良いと思います。

 

③調剤室での保管・分割
通常、処方箋に基づく調剤に用いられるものとして、調剤室又は備蓄倉庫において保管しなければならない。
また、薬剤師自らにより、調剤室において必要最小限の数量を分割した上で、販売しなければならない。

処方箋を受けて調剤する時と同じように、調剤室で調剤しなさいよってことです。

 

④薬歴管理の実施
医療機関において処方された薬剤等との相互作用・重複投薬を防止するため、患者の薬歴管理を実施すること

これは薬剤師なら行いますよね!
薬剤師が職能を発揮できるところですし、確認せずに渡すなんてありえない!

でも、すべての患者さんがお薬手帳を持ってきていないこともあるので、その時は大変ですね😅

 

⑤薬局における薬剤師の対面販売
販売に当たっては、薬局において、薬剤師が対面により販売すること

医薬品の分類において、「医療用医薬品」と「要指導医薬品」については、薬剤師による対面販売が義務となっています。

要指導医薬品のネット販売規制は合憲 楽天の敗訴確定 その1

要指導医薬品のネット販売規制は合憲 楽天の敗訴確定 その2

 

⑥服薬指導の実施
処方箋医薬品と同様に医療において用いられることを前提としたものであるので、販売に当たっては、これを十分に考慮した服薬指導を行わなければならない

服薬指導と薬歴管理はセットだと思っているので、「④薬歴管理の実施」と重複しそうな内容ですが、別で記載されています。

 

⑦添付文書の添付等
処方箋医薬品以外の医療用医薬品の販売については、分割販売に当たることから、販売に当たっては、外箱の写しなど新法50条に規定する事項を記載した文書及び同法52条にきている津添付文書又はその写しの添付を行うなどしなければならない。

薬機法 第50条は「直接の容器等の記載事項」で、内容は製造番号や有効期間など、医薬品の外箱に記載する内容について書かれています。
処方箋に基づかない販売なので、外箱の記載内容や添付文書等をセットにして渡さないといけないということです。

この項目は面白いですね~
このようなルールを作る時に、色々な法律などを見て、その内容に合わせるんですね
だって、渡すのは患者さんなのに、取り扱いが「医薬品販売」になるから外箱の写しとか渡さないといけないなんて、変ですよね😅

でも、決まりは決まりです。

 

⑧広告の禁止
患者のみの判断に基づく選択がないよう、引き続き、処方箋医薬品以外の医療用医薬品を含めた全ての医療用医薬品について、一般人を対象とする広告は行わないこと

この部分は「行わないこと」であって、「行ってはならない」ではないので、あまり意味をなさない文書ですね
現に、「零売薬局」があって、ネット上ではバンバン広告を発信してますもんね

 

④販売価格

価格については、何の記載もありません。
なので、自由価格です。
カロナール錠200mgで考えてみます。

薬剤師なら皆知っている「日経ドラッグインフォメーション」
その7月号に零売の記事があります。
そこでは、カロナール錠200mgが15錠で700円と紹介されています。

ある零売薬局(大阪)では、10錠 605円(税込)と紹介されていました。
別の零売薬局(東京)では、10錠350円でした。
他にも10錠504円10錠270円など、価格はさまざまです。

零売をされる際は、価格決定が一番難しいかもしれません。
値決めは経営って言いますもんね❗️

通知内容の解釈や記載内容に誤りがある可能性もあります。
自薬局において「零売」を行う場合は、薬剤師ですので、ご自身で再度調べて対応をお願いします。

参考資料に関連する資料のURLを載せているので、ぜひお読みください❗️

最後まで読んでいただき
ありがとうございました🙇🏻

 

 

薬機法 第50条(直接の容器等の記載事項)

薬機法 第52条(添付文書等の記載事項)

 

<参考資料>
薬局医薬品の取扱いについて, 薬食発 0318 第4号, 平成 26年 3月 18日

処方せん医薬品等の取扱いについて, 薬食発第0330016号, 平成 17年 3月 30日

処方せん医薬品等の取扱いについて, 薬食発第0330016号, 平成 17年 3月 30日, 一部改正 平成23年3月31日薬食発0331 第17号

調剤業務のあり方について, 薬生総発0402 第1号, 平成31年 4月 2日(0402通知)

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