時事ネタ 保険薬局関係

DNAワクチンとmRNAワクチン

こんにちは😃
薬剤師の岩出です。

数日前に、コロナワクチンを打ちました。
注射嫌いの私ですが😅、その私でも注射は痛くありませんでした。

そのあと少しして、筋肉痛のような違和感が出てきました。
その日の夜は手をあげると「あっ痛い…」となりましたが、次の日からはまったく何も感じませんでした!

今回は、コロナワクチンについて、mRNAワクチンとかDNAワクチンというタイプがありますが、何が違うのかなと思ったので、ご紹介したいと思います。

難しい資料や文献を読む前の準備運動的に読んでいただければ嬉しいです😆

 

①今までのワクチン

ワクチンには、不活化ワクチン(および弱毒化ワクチン)、組換えタンパクワクチン、ペプチドワクチン、メッセンジャーRNAワクチン、DNAワクチン、ウイルスベクターワクチンなど、様々なタイプのワクチンが存在します。

ワクチンといえば、"インフルエンザワクチン"がよく知られていると思います。
インフルエンザワクチンは、孵化鶏卵(ひよこになる前の卵) にワクチン株を接種して細胞に感染させて、増殖したものを回収し不活性化して作られます。

この方法は、大量の鶏卵を準備しなければならないことや製造に6ヶ月~12ヶ月程度の期間を要することが課題でした。

 

なぜ、コロナワクチンはこの卵を使った製造方法を使用しなかったのか?

新型コロナウイルスにおいては、孵化鶏卵を使ったウイルス産生がうまくいかなかったようです。
またコロナワクチンは、短時間に超大量のワクチンが必要になるので、この時間がかかる作製方法では間にあいません。

そこで、mRNAワクチンやDNAワクチンというタイプのワクチンが登場しました。

 

②mRNAワクチン、DNAワクチン

インフルエンザワクチンを例に説明すると
インフルエンザのワクチンは無毒化されたインフルエンザウイルスから作られる「不活化ワクチン」といわれるタイプのワクチンです。

無毒化されているので、ワクチンによってウイルスが体内に侵入してもウイルスは増殖せず、インフルエンザを発症することはありません。

しかし、体にとっては異物であるウイルスの侵入により免疫システムが働き、インフルエンザウイルスに対する抗体が作られます。
一度感染したウイルス(細菌も同様に)の抗体は免疫に記憶されるため、同様のウイルスが侵入してきた際にはスムーズに排除することができます。

今日使用されているほとんどのワクチンは、インフルエンザワクチンのように病気を引き起こすことができない不活化または弱体化したウイルスが組み込まれています。

なぜ、今回のコロナワクチンは不活化ワクチンではないのか?

理由は、新型コロナウイルスでは、孵化鶏卵を使ったウイルス産生がうまくいかなかったようです。またコロナワクチンは、短時間に超大量のワクチンが必要になるので、この時間がかかる作製方法では間にあいません。

そこで注目を浴びたのが、mRNAワクチンやDNAワクチンです。
注目されたのが今なだけで、mRNAワクチンやDNAワクチン自体は、1990年頃には開発されています。

 

③スパイクたんぱく質

すでにご存じのように、コロナウイルスは細胞表面の受容体タンパク質に、ウイルスのスパイクたんぱく質が結合し、細胞内に侵入して増殖します。(→ドラッグリポジショニングっていうんですね

そこで、このスパイクたんぱく質が受容体に結合するのを邪魔をする(「中和する」というようです)抗体をつくるのが、今回のmRNAワクチン、DNAワクチンです。

 

④DNAワクチンから

DNAワクチンでは、無毒化されたウイルス(不活化ワクチン)のように、ウイルス全体を利用するのではなく、スパイクたんぱく質に対する抗体を発現させたいので、このスパイクたんぱく質を利用します。

スパイクたんぱく質を作る設計図(DNA)をワクチンとして接種するのがDNAワクチンです。

接種され細胞内に取り込まれた設計図(DNA)からmRNAが作られ(転写)、mRNAからタンパク質が合成され(翻訳)、最終的に人の細胞自身によって、コロナウイルス表面のスパイクたんぱく質のみが作られ、それに対する抗体を誘導します。

ウイルスを入れるのではなく、スパイクたんぱく質のみを発現させるだけなので、病原性がなく安全であると考えられています。

アンジェス株式会社HPより

DNAワクチンには、いくつかの利点があります。細胞培養や卵で製造するワクチンと異なり、DNAワクチンは、タンク培養で迅速に大量生産ができるようです。
また、DNAは熱に強く、冷蔵保存の必要がありません。

 

⑤本丸の mRNAワクチン

先ほどのDNAワクチンの抗体を誘導する流れを確認すると
①スパイクたんぱく質を作る設計図(DNA)を接種する

②脂肪内にDNAが取り込まれる

③DNAからmRNAが作られる(転写

④タンパク質が合成され、最終的にスパイクたんぱく質が作られる(翻訳

⑤スパイクたんぱく質から抗体が誘導される

上を見ると、わざわざDNAを入れるんじゃなくて、mRNAを接種したらいいんじゃない?ってなりま…せんよね😅
ただ、一部のおエライ研究者の先生は、DNAをスキップして、代わりにmRNAを細胞に入れたいと考えられたようです😵

しかし、弱点としてヒトの体内に入ると分解されるなどmRNAは不安定で極めて壊れやすい。
そこで特殊な粒子(脂質ナノ粒子など)などにmRNAを封入して投与します。

脂質ナノ粒子(LNP)についてはこちら→モデルナ なぜ安定なのか?

それでもまだ弱点はります

弱点①:温度管理
ご存じのように、ファイザー製のmRNAワクチンは、当初はマイナス75℃前後での保管と言われ、今ではマイナス20℃前後となりましたが、それでも熱に弱いことから冷凍温度帯での保管が必要です。

弱点②:アレルギー
mRNAを安定させるためのLNPですが、LNPは一般的に炎症反応を起こしやすく、LNPにより(正確にはLNPの構成成分)アレルギーが起きると考えられている。

 

詳しくは、各自で調べてください❗️
ご参考程度にお願いします🙇🏻

 

母親から「コロナのワクチンは、体の中で作るワクチンやから安全なのよね」って聞かれて、「体の中で作る」という表現があながち間違いではないなぁ~と思いました😅

 

 

<参考資料>
mRNAワクチン:新型コロナウイルス感染を抑える切り札となるか?, 日本RNA学会

青枝 大貴, 石井 健, DNAワクチンの基礎と作用機序(最前線)

Different Approaches to a Coronavirus Vaccine(コロナウイルスワクチンへのさまざまなアプローチ), 2020年5月20日 New York Time誌

新型コロナウイルス感染症関連情報(アンジェス株式会社)

期待が高まるDNAワクチン(一般社団法人 予防衛生協会)

峰 宗太郎, 新型コロナウイルスワクチンの基礎と原理

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